水産政策審議会・資源管理分科会
スルメイカ漁をめぐる最新の議論と現場への思い
11月5日、水産政策審議会・資源管理分科会が開催され、スルメイカの漁獲枠の追加配分や今後の資源管理について議論が行われました。
冒頭、私からは、今般の小型スルメイカ釣り漁業の採捕停止命令という極めて重い決定に至った経緯や、今後の資源管理の徹底に向けた国としての決意をお伝えしました。
また、全漁連からも資源管理のあり方について反省の言葉があったことを伝え、改めて、関係者が協力して資源管理に取り組んでいくことをお願いさせていただきました。
今回、国の留保分5,700トンのうち1,200トンを振り替える調整、そして水産研究・教育機構の新たなデータに基づく1,800トンの増枠を諮問し、了承を得ました。
しかしながら、一部の小型スルメイカ釣り漁業や府県で超過が多く、現時点では採捕停止命令の解除には至っていません。今後は他の漁業種類との枠の「融通」なども視野に、調整を続けてまいります。
休漁を余儀なくされた漁師の皆さんへの支援策として「積立ぷらす」などがありますが、本来、漁師の皆さんは“釣って暮らす”ことが生業であり、誇りでもあります。
それだけに、地域によって回遊の時期が異なる中で、漁期を迎える前に禁漁となるのは、まさに残酷なことです。
今回の採捕停止命令は、漁師だけでなく、観光や流通、地域全体の活気にも影響を及ぼしています。
だからこそ、感情論ではなく、資源の実態に立脚した適正な管理を行うことが必要です。
現場の声に耳を傾けながら、データを正確に把握し、将来世代へ豊かな海をつなぐために、今できる最善の判断を積み重ねていきます。
引き続き、国・自治体・業界が一体となり、漁業者の暮らしと日本の食を守るため、全力で取り組んでまいります。
海洋国家・水産業の国日本の関係者が一つになることが重要です。よろしくお願いします。

